だるだるなまず日記

バツイチ独身女の日常覚書、映画ドラマ雑感(凄く良い◎良い○微妙△金返せ×)割とネタバレしてますが、あらすじ説明はしてません。観た人向け。

映画「ハイヒールの男」と男の子がお姫様になれるか問題

映画「ハイヒールの男」をNetflix (ネットフリックス) で視聴しました。

 

 

ちょうど、プリキュアで男の子がお姫様になれるって話で盛り上がってる時で、タイムリー過ぎて、うーむむむ…と思いました。

 

 

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prehyou2015.hatenablog.com

 

 

大学生の頃に「少女革命ウテナ」というアニメを観て、「女の子だって王子様になれる!」とウテナ様に言われて目が覚めたような気分になった女子です。

その後の就活、結婚、離婚、転職、上京と様々な場面で、ウテナ様のお言葉が頭に響きました。

 

私は普通の人間なので、とっても常識に縛られた思考回路を持ってますし、普通でいたい!という気持ちが強いタイプです。

 

だから、適齢期に普通に結婚しました。

 

しかし、上手くいかずに離婚してしまいました。

 

その時、普通の当たり前の自分でいられないことに気付いて、当たり前に王子様のための薔薇の花嫁になれなくても、自分が王子様になっても良いんだと脳内のウテナ様に肯定してもらったので先に進みました。

勇気のキッカケをくれたウテナ様は今でも私にとって最高のヒーローです。

 

が!!!しかし!!!勇気もらってなかったら、常識に縛られたまま我慢して離婚してなかったかもね!!!

 

まあ、精神的にもちょっと、おかしくなってて毎朝吐いたりしてたから、それで幸せになれたかどうかは不明なんですけど、自分を偽り、我慢してでも普通からはみ出さなければ、それはそれで世間一般的な幸せを手に入れてた可能性はある。

私の胸にはウテナ様が住んでいるので、そういうの耐えられないですけど、いなかったらどうなのかは分からない。

 毎朝吐きながら、毎日泣いてても、その内、鈍化してやっていけるようになるのかも知れない。

技術職でバリキャリ独身貴族な私と、普通に結婚して母親になってる私と、どっちが幸せだったかは判断することができない。

 

とりあえず、私は今現在は、かなり幸せです。

生きて来た中で、今が一番幸せですね。

どっかに戻ってって言われたら泣いて嫌がります。

 

そういう自分の人生経験もあり、最近のぷりきゅあの話題に胸をざわざわさせてた所で「ハイヒールの男」を鑑賞してしまったんですけども、非常に面白く興味深かったです。

 

主人公は男前で高身長でマッチョでヤクザをぶん殴りまくる武闘派の狂犬のような刑事。

1対10人とかで銃も持たずに戦っても負けないサイボーグのような男。かなりカッコイイ。ヤクザも思わず男惚れするような男の中の男。

そんな彼が実は心は女で、ニューハーフになろうとしている。

正直、もったいない…という感じがする。

ゲイはゲイでも、そのままの姿だったら、物凄くニーズありそうなのに、無茶な肉体改造に着手しようとしている。

でも、本人はゲイというより女なので、どうしても女になりたい。

 

高身長でちょっと運動しただけですぐに筋肉がつくような体質で顔も男らしい男前。

男性だったら非常に恵まれた容姿なのに、ニューハーフとしては色々無理が出そうな体質。

それでも、心の中に女がいて苦しいので、女の身体を手に入れない。

 

この映画を観て、ニューハーフっていうのは、もともと女性的な体格で、男らしく生活するのが辛い人達がなるものという固定観念があったことに気付きました。

でも、心が女で体がたまたま男として生まれてしまうことがあるという性同一性障害だった場合、外見が女っぽいかどうかは関係ないんですよね。

男なら、誰もが羨むような肉体を持っていながら、女に改造しようとする。改造したら終わりじゃなくて、ずっと一生メンテナンスし続けなくてはいけない。

 

それでも、女になりたいという気持ちを止めることはできないんなら仕方ないんですよね。

私が、どうしても我慢しきれずに離婚したのと同じくらい無理なんですよね???

じゃあ、仕方ない!!!

 

お姫様になることに向いてなかったとしても、お姫様になる努力をしても良い。

まあ、親なら「それは向いてない」とかハッキリ言ってやらねばならない場合もあると思いますが…でも、まあ、身長低いバスケット選手とか、音痴な歌手とか、何とかなる方法がないわけじゃない気がするので、不細工なニューハーフも全身整形するとか、覚悟があるならできなくはないか…本人の意思があるのなら、何にだってなれるというのが正解なんだろうなと思います。

 

きっと、後10年もしたら、プリキュアでも、ハイヒールの男みたいなむくつけきマッチョ男子に「お姫様になってもいいよ!」って言ってくれると思う。

今はまだ、少女と見まごうような美少年に向かって言ってるけども。

 

回想シーンで少年時代の主人公が同級生の男の子と恋をするんですけど、相手の少年はユニセックスないわゆる美少年のルックスで、主人公は現在の彼に相応しいスポーツマンっぽいハンサムなので、カップルとしては主人公の方が彼氏的に見えるんですけど、鏡に映る主人公に恋人の男の子が口紅を描いてあげるシーンがあって、現在の彼のパーソナリティーを考えても、主人公の方が彼女的な立ち位置なんですよね。

主人公のルックスからは女性的な要素を排除して、外見と精神とを完全に切り離した描き方がされているのが、終始徹底されてました。

 

回想の中で恋人だった男の子も優しいんですけど、主人公の後輩が、尊敬する先輩が女になりたがってるのにショックを受けるんですけど、「きれいです」と言ってあげるのが、凄く優しいし男らしいなと思いました。

後、敵のヤクザが「女には手を上げない」とか言ってたり、お前みたいなのが女なんて気持ち悪!!とは誰も言わず、女性として扱う態度が非常に紳士的だと感じました。

 

こういう世界であって欲しい。