読書備忘録
柴田よしき
「風のベーコンサンド」◎
思ってたより、すげースリリングな話でドキドキしながら一気に読んでしまった。
バツイチになったアラサー女性が脱サラして高原にカフェを開くという、この世で最も興味ないタイプの話だったのに、めちゃ面白かった。さすが!!
素人が脱サラして田舎でカフェ経営とか怖い話やでーと思ってたら、本当にそこそこスリリングだった。
私もバツイチだから、その辺の心理描写には甘くないんやで!と思ってたんだけど、割と身につまされる話だった…思ってたより内面の深いところに踏み込んで来られてしまった…結構、自分の離婚と近い感じの話だった…。
田舎のカフェ経営とか寂れた観光地を盛り返す方法とか普通にハラハラドキドキだし、食べ物の描写も美味しそうで、上と極上の味の違いの表現も凄い。
しかも、普通に軽く読める小説に仕上げてて、高原のカフェを経営する女子みたいな小説が好きな層にもウケそう!
「ホーラ」〇
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アラフォーの不倫海外旅行の話とか最高に興味が持てないアラスジで長いこと積ん読してたけど、読んだらやっぱり凄い!
特にバイオリニストの表現。芸術家を表現するのめちゃ上手い。才能についての心情がいつも真に迫ってる!
不倫の恋愛とかホラーとかより、主人公のバイオリニストとしての生き方が一番興味深かったし、面白かった。いや、ホラーもぬるっとした感じが伝わる文章力凄いなーって思うけど!
「静かな黄昏の国」〇
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不気味に怖いホラーの短編集。
描写力がすごくて気持ち悪いものがリアルに気持ち悪い。
全体的に物悲しく辛いホラーであった。
表題作は今の日本にとってリアルすぎる。でも、いつもながら、この手のデストピアは別に嫌じゃないと思ってしまうインドアオタクです。
「蒼猫のいる家」〇
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ぬるっとしたわけがわからない不気味さがわかるのが怖い。
気持ち悪いホラーを読みたい人におすすめできるホラー短編集。
「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」◎
良き百合だよってすすめられたけど、めちゃくちゃ面白かったー!これが小川一水かー!すげー良いSF小説だったよー!
百合の皮を被った本格ジェンダーSF!本格なのに読みやすくて凄い!
百合というより、むしろちゃんとビアンなんだけど、百合としても成立してる!萌きゅん!ラノベっぽい表紙も良いなー!
巨女萌があるので、たまりませんでした。
杏きら好きにオススメしたい。