だるだるなまず日記

バツイチ独身女の日常覚書、映画ドラマ雑感(凄く良い◎良い○微妙△金返せ×)割とネタバレしてますが、あらすじ説明はしてません。観た人向け。

夜明け ○

2/1 18:30~ シネマクレール 1000円(映画の日

 

https://yoake-movie.com/images/main_img.jpg

何を見せられているんだ…?という感じ。

うーん…嫌いじゃないんだけど…。

 

続きはネタバレ感想

 

 

 

 

 

 

 「心に傷を持つ2人の男の擬似父子もの」と言うのを先に聞いてたので、マイフェイバリット映画である「息子のまなざし」みたいな感じかな~?と期待して観に行ったんですが、「息子のまなざし失敗版」って感じの話でした。

 

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映画として失敗してるって意味じゃなくて、失敗した人を描いた映画という意味です。

 

しかし…この監督さんは、「息子のまなざし」を観ているのでしょうか?

パクってる!というほどストーリーが似ているわけじゃないんですけど、何か色々びみょーに似ていて、相反していると言うか、「息子のまなざし」のアンチテーゼとして展開してるような気がしてしまいます。

 

息子のまなざし」は本当に素晴らしい作品で、私にとって今までの価値観を180度変えさせられた映画だったので、是非多くの人に見て欲しい!(と思ってるけど、映画好きという人と話していて、この映画を観たことがあると言う人に会ったことがないんですけど…割と色んな映画好きな人と話してるし、映画会みたいなのにも参加してるのに、1人も会ったことがないって、この映画は本当に上映されていたのか?!という気分にすらなって来ています。でも、私は映画館で観たし、カンヌで主演男優賞とか取ってる筈なんで上映してたのは現実のはず!!!しかし、1人も知らないってさすがにおかしくない?!…というわけで、機会があると、このように主張して、息子のまなざし?聞いたことはあるわ」という人をせめて増やそうとしています)…ので、極力ネタバレはしないように話します。(※「夜明け」のネタバレはします。)

 

・ OPのおっさんと若者が出会う所の後ろからおっさんを追いかけて揺れるカメラワークからのタイトルの入り方から、ラストのカットアウトの終わり方までのイメージが似ている。

 

・「息子~」ではおっさんに秘密があって映画中盤まで秘密がわからないけど、「夜明け」では若者の方に秘密があるって違いはありますが、観てる方の「何があったのかなー?」という気持ちは同じ。

 

・「息子~」は主演のおっさんが、「最もセリフの少ない主演男優賞」とか言われるくらい無口なんですけど、「夜明け」では若者の方が物凄く口が重くて物言いたげ意味ありげ。

 

おっさんの仕事が同じ木工。

 

こんなに偶然に似るものなのか?

 

この映画観てる間、ずーっと「息子のまなざし」との相違点を考え続けることになりました。

 

うーん…でも、カンヌで賞をを取ってる映画とは言え、「息子のまなざし」は前述の通り、「誰に言っても聞いたことがないと言われる、いわくもないのに意味もなく幻の作品」なので、「夜明け」の監督さんも観てない可能性は大いにあります。

 

不器用な父親って言うと、仕事は木工!ってなりやすいだけなのかなー?

 

この木工という男の技術者の世界を通じて擬似父子が不器用に気持ちを寄せ合うって、ストーリーとして美しいよね!と思うんですが、「夜明け」の方では度々、その美しさがぶち壊されます。

 

心に傷を抱えた男二人が出会う…という設定から、擬似父子として関係を築き、傷を癒し合って新しく生きていく希望を見つける…という風に展開して欲しいって思いますよね?

 

しかし、そうはならない!

若者が、木工に興味ないから!

というか、そもそも、この若者には帰る家あるみたいだし、まあ心に傷はあるんだけど、家族もそんなにめちゃくちゃ悪い人って感じでもない気がするから、特に興味ない上に儲かるわけでもない木工なんかしたくもないし、する必要も無いんですよ。

だから、まー…ミスマッチなんですよね。

マッチングが良ければ、凄く良い話になりそうだったんどけど、パーツが上手くハマる形じゃなかったので、不具合が出てしまった。

 

良い感じにちょうど良くなんてならない!!

感動なんかさせねーよ!!!

 

…という感じなんでしょうか…。

 

誰も成長せず…誰も救われず…全部ぶち壊しになるってほどでもなく…びみょーに嫌な感じになるだけ…。

 

普通の映画ならドラマチックな展開になるだろけど、現実はそうはなりませんからー!!…という主張なのかなー…?

 

うーん…何を見せられてるんだ?という感じが凄くありました。

 

後、小林薫さんが柳楽くんに「俺には、お前が必要なんだー!」とか言いながら縋りついたり、再婚しても2人で住みたいとか言ってみたり、俺とお前だけの秘密だぞーとか、もろもろが非常にホモっぽくて、何を見せられてるんだ?感が凄い!

私も引いてるけど、柳楽くんも引いてる…。

 

柳楽くんは目力の強い可愛い顔をしていて雛にもマレな雰囲気なんですけど、演技で絶妙に普通の良くいるコミュ障っぽさを出してました。でも、なんかこー…小林さんの布団に毎晩湯たんぽを入れてあげるシーンが執拗に出て来たり、息子と言うより妻?という感じもして、なんかこー…何を見せられてるんだ?

 

柳楽くんが現れなかったら普通に再婚して幸せになってただろうなーって感じも…でも、別に柳楽くんはミステリアスな魔性の少年でも無いし…何でもないということに主軸を置いて制作しました!…という感じなんでしょうか…?

 

息子のまなざし」との類似性があまりにも気になってたしまって雑音が多くて、何が言いたいのか私が理解出来なくなっちゃってるだけかもしれません。

 

 

 

しかし…こうして考えると…息子のまなざし」めちゃくちゃ良く出来てたわー!!!

 

息子のまなざし」の方も、いかにも良い感じの擬似父子になれそうだと思ってたのに、どうしても無理ー!!なところがあって、その無理ー!!!な部分で観客に物凄く考えさせるんですよね。


罪を許すということ。

未成年の犯罪をどう裁くのかということ。

失った痛みをどうやって癒すのかということ。

どうやって立ち直っていくのかということ。


それらが絡み合って雁字搦めになりながら、安易な答えに逃げることを許さないような切実さで観る者に問い掛けて来る名作でした。

息子のまなざし」という作品が出した答えがどうだったのか、観た後に必ず人と語り合いたくなるし、自分の答えはどうなんだろうと内面に問いかけずにはいりれません。

 

是非、多くの人に見てもらいたいです!!

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